会津嶺12月号


コラム 自然農法無の会 僕らのNew農Life Vol.20に寄稿いたしました。
移住の経緯、農業のこと、店のこと、ひと通りまとめております。
今後数年で、このようの動きをする人(特に若者)が、おそらく増えていくと思われます。
移住や2拠点、多拠点のひとつの参考事例、見本になればと思います。
そのぐらい、100年単位での大きなリセットの時期に来ているからです。
今生きている者が誰も体験したことのない未知の領域、そういうゾーンに突入するということです。
ワクワクしかありません。
以下、本分です。
2024年の12月末に神奈川県から移住して若松市内に『&FARMS』という店舗を構え、まもなく一年が経とうとしています。
昨冬は、いきなりドカ雪の洗礼を受けました。
神奈川では衣食住及び会津の日本酒を専門に扱うセレクトショップを27年間、またコロナ禍より弁当と惣菜のテイクアウト専門店も運営しておりました。
そしてその傍ら、無の会のリモートメンバーとして毎月会津を訪れ、農作業のお手伝いをしていました。
実は会津の出身で、高校までを市内で過ごし上京。高校の時の英語の教師が無の会代表の児島先生だったこともあり、無の会に通うようになったのですが、次第に会津への移住を本格的に考えるようになり、無の会のメンバーにも話をしていたところ、畑の一部をお借りできることになりました。
そして、移住に向け色々とリサーチをしていたところ、市内大町1丁目の交差点角の空き物件に出会いました。
かつて菓心大津加本店さんがあった、レンガの外観の素敵なビルです。
外観からは分からないのですが厨房設備が備わった物件で、この場所であれば一か所で今まで培ってきた経験を全て活かしつつ、かつ農業にも従事できる可能性を感じ移住を決意しました。
畑では主に激辛の唐辛子として有名なハバネロを栽培しています。収穫したハバネロは、長年付き合いのある無農薬のハバネロのみを原料とする関西のホットソース専門の作り手さんに納めています。
2017年にアメリカのホットソース世界大会で優勝した経歴を持ち、辛いだけでなく芳醇な香りとフルーティーで奥行のある味わいが特徴で、国内外のホットソースファンから支持されています。
この名誉あるホットソースの原料を、栽培させていただくことになりました。
ハバネロは発芽温度が25度と高いため、発芽が上手くいくかが、その後の成否を決めます。
まだ寒さが残る3月下旬、最初の種蒔きを行いました。発芽まで25℃をキープし続けなければならないため、店内のテーブルの下に温床マットを敷き、その上に種蒔きトレイを乗せて保温し、発芽を待ちました。
2週間が経過して徐々に発芽。とりあえず第一関門を通過したことに安堵したことを覚えています。
その後、育苗や定植、いくつかの関門を抜け10月に収穫のピークを迎え、11月頭に初霜が降りたところで今期の収穫は終了しました。
反省点だらけの初年度でしたが、一年を通して他の唐辛子類とは異なるハバネロならではの生理や、管理方法を知ることが出来ました。
そして何よりも、大きく辛く香りの良いハバネロを収穫することができました。
収穫したハバネロは、すぐに数種類のホットソースに加工され、店頭にも並び当店の人気商品のひとつになっています。
店内では食品を中心とした30年以上のバイヤー経験を活かし、国内外の優れた商品を厳選して紹介しています。
特にスパイス類は主力商品であり、店内には物販に加えてカフェスペースも設けており、スパイスと共に煮出すマサラチャイというミルクティーや、スパイスの調合から行う本格的なスパイスカレーは大変ご好評いただいております。
スパイスカレーは、インドの南部やスリランカのスタイルを主に提供しています。
インドは地域によって食文化が異なり、北部は主に小麦製品や乳製品を、南部は豆・野菜・米を中心とした食事が基本です。
店で南部の食をご提供している理由は、この様な会津の豊かな食材を最大限に活かせるためです。
また地元の野菜類をスパイスを使用した調理法で仕上げることで、食材の新しい食べ方や使い方の発見に繋がると考えています。
これは生産者が自身の育てた農産物の販路を拡大するためにも大変重要なことであり、多様な食文化を知る人間が生産にも関わることで、既存のルートとは異なるその農産物を必要としている方々に届けることが可能になると信じています。農業の現場と消費者を繋ぐハブになる、店名の&FARMSにはその様な思いを込めています。








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